INFORMATION お知らせ

24.03.22
PCBについて

変圧器等への微量PCBの混入可能性に関する調査結果について

1 .はじめに

変圧器等の電気機器に使用している電気絶縁油から微量PCBが検出された事に関する調査結果が、(社)日本電機工業会から、経済産業省及び環境省に対して、平成14年7月9日付で、「微量PCB検出にかかる調査について」として報告されました。この報告後、当社は、平成14年7月12日付で、経済産業省及び環境省から、PCB含有の有無の判別を行う調査、原因の解明、関連するお客さまへの情報提供等の指示を受けました。
これを受けて、当社は、(社)日本電機工業会の下で、さらなる調査・検討を実施してきましたので、その結果を以下のとおりお知らせします。

2 .サンプル調査等の結果

当社は、PCB不含証明書又は見解書が得られない再生電気絶縁油(以下再生油という)を使用した変圧器について、微量PCB混入の可能性を完全には否定できないとして、サンプル調査を実施しました。この調査の過程で、再生油を使用した変圧器のみならず、当初対象外と認識していた不含見解書を入手している新油を使用した変圧器からも検出事例があり、さらにお客さまから微量PCB検出事例を連絡いただきました。これらの事例やサンプル調査結果から、1989年以前に製造した変圧器は、使用した絶縁油が、新油、再生油にかかわらず、微量PCBが検出される可能性があることが分かりました。また、このことは、調査を実施した(社)日本電機工業会の会員各社でもほぼ同様の調査結果でした。

3 .当社工場での微量PCB混入の可能性の調査・検討結果

当社では、新油を使用した変圧器とは別に、PCBを使用した変圧器(1959年~1970年)と再生油を使用した変圧器(1968年~1989年)を並行して製造していた時期がありました。これらの時期における当社の製造工程を調査した結果、PCBを使用した変圧器の作業区域は、完全に独立・分離しており、PCBの保管・貯蔵も専用のドラム缶を使用する等、新油や再生油を使用した変圧器に、PCBが混入する可能性はありませんでした。また、新油と再生油の貯油タンクや配管等も完全に分離しており、新油と再生油が混合する可能性もありませんでした。
1990年以降については、当社は、微量PCB混入の可能性を完全には否定できなった再生油の使用を1989年に中止していること、定期的に絶縁油メーカーからPCB不含証明書等を入手していること等、絶縁油に対する管理を強化しており、変圧器への微量PCB混入の可能性は考えられませんでした。

4 .変圧器納入後における微量PCB混入の可能性の調査・検討結果

微量PCB検出事例の内、変圧器納入後に絶縁油交換記録のあるものがありますが、変圧器出荷時に注油した絶縁油及び変圧器納入後における交換用絶縁油のいずれについてもPCB含有に関する分析は行われていません。したがって、変圧器納入後における微量PCB混入の可能性については、絶縁油交換等によるものか、元々工場出荷時に微量PCBが混入していたものかは判断できませんでした。

5 .変圧器出荷時に注油した絶縁油自身の汚染による微量PCB混入の可能性の調査・検討結果

サンプル調査等の結果により、PCBを全く使用していない時期に製造した変圧器及び不含見解書を入手している新油を使用した変圧器からも微量PCBの検出事例があったこと、当社工場での微量PCB混入の可能性の調査・検討結果により、PCBが新油及び再生油に混入する可能性や新油と再生油が混合する可能性は考えられないこと、さらに、(社)日本電機工業会が実施した絶縁油メーカーに対するアンケート調査結果から、当社が購入した絶縁油自身に微量PCBが混入していた可能性は否定できませんでした。

6 .微量PCB混入に関する調査結果のまとめ

(1) 1989年以前に製造した変圧器について
上記3~5項の、微量PCB混入の可能性の調査・検討結果から、”注油した絶縁油自身への 混入の可能性”は、”当社での混入の可能性”及び”納入後の変圧器における混入の可能性”に比べ高いと推察します。
しかしながら、どの段階でPCBが混入したかについては、①絶縁油メーカーによる絶縁油出荷時、②当社による絶縁油受入時並びに変圧器出荷時、③変圧器納入後の現地作業時、のいずれにおいてもPCB分析が実施されていないこと、さらに、当社が、微量PCBの検出された変圧器製造時期に、複数の絶縁油メーカーの絶縁油を使用していたこと、新油、再生油の別なく検出事例があることから、証明できる資料に基づく微量PCB混入の可能性の特定はできませんでした。
当社は機器メーカーとして、可能な限り微量PCB混入に関する調査を実施してきましたが、微量PCB混入の段階が特定できないことから、過去に遡ってこれ以上の原因解明と汚染範囲の特定は困難であると考えます。

(2) 1990年以降に製造した変圧器について
1990年以降は、再生油の生産が中止され、当社は、新油のみ使用していること、絶縁油メ-カー及び当社において絶縁油の管理を強化(絶縁油メーカーよりPCB不含証明書を入手、絶縁油メーカーの絶縁油試験成績書へのPCB不含明記、当社受入時の抜き取りPCB分析実施等)していること、かつ、PCB検出事例が無いことから、当社の変圧器出荷時における微量PCB混入はないと判断します。

7 .今後の当社の対応

(1) 今後製造する変圧器等の油入機器については、1990年以降に実施している絶縁油の管理の強化を継続することにより、微量PCBの混入が発生しないように努めます。

(2) 専用の下記「お客さま窓口」の継続と、微量PCB混入機器に関する情報、微量PCB混入機器の取扱い・管理に関する情報、変圧器等油入機器の保守・メンテナンス時の取扱い等に関する情報等のホームページへの掲載等により、引き続きお客さまへの情報公開を実施すると共に助言を行っていきます。

(3) 微量PCB混入事例の把握に努めると共に、(社)日本電機工業会の下で、微量PCB混入機器の処理に向けた国の機関での検討に積極的に協力していきます。

当社 「お客さま窓口」
営業部 営業総括担当
TEL:082-218-1304
FAX:082-286-3420